如意宝珠(にょいほうじゅ)とは上方が尖った、火炎の燃え上がったような形をした珠をいいます。
欲しいものをすべて出し、願い事を何でもかなえる神秘的な宝物と言われています。
■如意宝珠とは■
仏像やお地蔵様が手にしている、球形で上部が尖っている珠が宝珠です。
仏像が持つ球形〜球に近い形の珠はすべて如意宝珠と呼ばれます。
サンスクリット語では「マニ」または「シンタ・マニ」とよばれるもので、よく言われる「摩尼宝珠」はサンスクリット語と漢語を重ねた呼び方です。
「マニ」は珠、「シンタ」は「知る・熟考する」などを意味する言葉です。
シンタ・マニ=如意宝珠は「意」の「如」く…すなわち「思いのまま」という意味を持ちます。仏教の経典では、宝珠は心の中で思い描いたものをすべて与え、あらゆる願いを叶えるとされています。
如意宝珠の由来には種々の説があり、
・仏舎利(お釈迦様の骨)が変化したもの
・龍王の頭の中から取り出されたもの
・阿修羅との戦いの際に帝釈天の武器が砕けて人間界に落ちたもの
・人間の善行や良い因縁の報いとしてひとりでにできたもの
などと伝えられています。
五重塔などの仏塔や仏堂の頂上や、橋の欄干などに取り付けられた「擬宝珠」は、宝珠の持つ力を身近に感じ、長く守ろうとした人々の願いから生まれたものとされています。
■如意宝珠の力■
さまざまな経典などの中で、如意宝珠の力は次のように説明されています。
病気にかかった時、宝珠を身につけるとたちまち全快する。
身につけていると暑さ寒さを和らげ、良い気候の中で暮らせる。
暗闇で何も見えないとき、あたりを明るく照らす。
欲しいと思った衣服や食べ物、住居や家財がすぐに出てくる。
誤って毒を飲んだり、毒虫に刺されても、宝珠をかざせば毒が消える。
濁った水につけておくと、水が透明になる。 …などなど
もちろんこんな魔法のような宝物があるはずはなく、これらはたとえ話に過ぎません。
経典は「宝珠を持っても心が清浄でなければ、仏の声を聞くことはできない」として、持つ人の心根の大切さを説いています。
珠のように美しく心を磨き、努力を怠らずに徳を積みなさい。
そうすればどのような困難に直面しても、それを乗り越えて願いを叶えることができる…
如意宝珠の美しい形はそうした教えを人々に伝え、自らの心にそむかない、まっすぐな生き方を思い出させてくれます。
水晶は、それだけで神秘的なパワーを感じさせる石です。古くから地鎮や厄除け、開運の道具として使われてきたのも、大昔から人々が、水晶にそうしたパワーを感じていたからなのでしょう。
如意宝珠はあらゆる願いを叶える珠、水晶の如意宝珠は、まさに特別な宝物です。
ぜひ手のひらにのせて、眺めてみてください。 太古の昔から人々を魅了してきた、不思議な神秘的な力を感じていただけると思います。
如意宝珠の形は独特で、どんな素材であっても美しく作るには高い技術が必要とされます。
特に天然水晶は硬く、密度が均一でない場合もあり、宝珠のような形に磨き出すのは大変難しいとされています。
当店の如意宝珠は、高い技術を持つ職人さんが一つ一つ手磨きで仕上げた逸品です。底面までも丁寧に磨かれた美しい曲面。先端へ至る緻密な曲線は、宝珠の宝珠たる神秘のパワーを感じさせます。
丸玉にしたなら一回り大きな玉を作ることができたはずの水晶原石を贅沢に使い、丁寧に仕上げられた宝珠です。
きっと、あなたの心を、この宝珠のように美しく澄んだものにしてくれるでしょう。